レイトン教授VS逆転裁判 ネタバレありレビュー 「ガッカリ」

 

 

 

魔法が最初から存在しなかった、というオチがあまりにひどい。検索してみると「『レイトン』にはありがちなオチであり、驚くにあたらない」とする意見もある。実際、『レイトン』ファンが発売前にこのオチを予想しているツイートもあった。かように自分は『レイトン』に詳しくないので、的はずれな意見になるかもしれない。それでも言わせてもらえば、まず、今回は『逆転裁判』もからんでいることを忘れないでいただきたいのだ。

 

このゲームをクリアするためには、ナゾやパズルを解くだけではなく、成歩堂となって魔法を用いた犯罪の存在を受け入れ、この世界のルールを理解し、そこから事件を検証、ゲームオーバーのストレスと闘いながら、この世界のルールとムジュンする箇所を攻撃していく必要があったのだ。このゲームをプレイすることは、「魔法が存在する世界」に説得力と存在感を持たせるために、ゲームマスターと協力しあう過程でもあった。

 

しかし結末に来て、ゲームマスターは強権を発動、「魔法など存在しない」とNPCに語らせてしまう。プレイヤーに反論する手段はない。魔法の正体は科学と催眠術と特異体質と利用した大企業の実験だった…などという、垂れ流されるテキストによる、空虚な解説を受け入れるしかない。プレイヤーがこのゲームに捧げた、魔法の世界の構築への努力は、ゲームマスターの一存で全てムダとなる。まったくひどいゲーム。

 

その他

  • 炎の竜の正体がしょぼすぎて衝撃を受けた。「茜がかつて見たタイホくん」の秀逸なトリックを連想させるだけに、余計に。
  • 「ちょっと!」は良いシステムではあるものの、誰がどの証言に違和感を抱くかなど予想しようがないため、すべての証言をゆさぶることが義務となってしまった。「ピンポイントでゆさぶって新たな証言を引きずることに成功した」という快感が損なわれる