ドラクエ10のスキル上げは楽じゃない

このつらさは、ドラクエ9をやってると分かりやすい。

 

ドラクエ10では、レベルが上がるごとにスキルポイントがもらえる。スキルポイントは「片手剣」や「槍」などの武器スキル、もしくは職業に固有の「ゆうかん(戦士)」「きょくげい(旅芸人)」といった職業スキルに振り、それに応じてキャラクターが個性をもち成長する。レベルがカンストしたらそれ以上のスキルポイントはもらえないので、計画性が重要になる(スキル振りなおしは現状で不可能)。

 

ドラクエ9では、他の職業で稼いだスキルポイントを別の職業に振ることができた。あるキャラクターを戦士にするつもりがなくても、戦士レベルを上げることでスキルポイントを稼ぎ、そのスキルポイントを魔法使いに有用なスキルに振る、といったことができた。

 

また、ドラクエ9では、レベルがカンストしてしまっても、転生システムを使い、レベル1に戻ることで、もう一度スキルポイントを獲得し直すことができた。転生を繰り返せば万能のキャラクターを作ることも出来る。

 

 

ドラクエ10では、スキルポイントは職業ごとに固有となった。戦士で稼いだスキルは戦士の持つスキルにしか振ることができなくなった。また、スキルカンストに必要なポイントは100であるが、レベルカンストによって得られるスキルポイントは107とされる。

 

どういうことが起きるか。戦士には「ゆうかん」という職業固有スキルがあり、これにスキルポイントを注ぐことで、パッシブスキルを獲得、すなわち全職業において「ちから」や「身の守り」などのステータスを底上げすることができるのだが、この「ゆうかん」を伸ばした場合、戦士は片手剣、両手斧といった武器スキルを伸ばすことができなくなるのだ。

 

さらに、たとえば「自分は武闘家を育てたい」と思っている人は、強力な「ゆうかん」スキルを獲得するために転職して戦士レベルも育てなければならない。だが、武闘家の職業スキルにも「きあい」というものがあり、スキルポイント80を注いで得られる効果「すべての職業のHPに+40」は前衛、後衛を問わずあらゆる職業に有効にはたらく。

 

つまり、武闘家をやりたければ戦士を育てなければならず、戦士をやりたくとも武闘家を育てなければならず、いや、僧侶や魔法使いをやりたくとも、誰もが武闘家を通過しなければならなくなった。

 

さらにあらゆる職業は、職業固有スキルを取得しようとするとその職業の武器固有スキルが取得できない。

 

たとえば、旅芸人の職業スキル「きょくげい」にすべてのスキルポイントを振ってしまったのなら、攻撃がこころもとなくなる。そこで、盗賊に転職してレベルをカンストさせ短剣スキルを取得するとか、僧侶に転職してレベルをカンストさせ棍スキルを取得するといった回り道が必要になる。

 

しかし、盗賊で武器スキルを取ってしまった場合、レアアイテム入手に欠かせない盗賊固有の特技「ぬすむ」などの取得は不可能になるし、僧侶で武器スキルを取ってしまった場合には、僧侶に求められているのは後衛として便利な信仰スキルか杖スキルだから、旅芸人が棍スキルを取得するためには、パーティプレイには敬遠される棍僧侶を苦労して育てなければならないのだ。